2/28 おすそわけトーク「『世界初』の博物館ができたころ」in clef

今回は、clefのお客様の鈴村さんによる持ち込み企画です。

自分達と同年代である鈴村さんが、実家で聞く両親の昔話がとても興味深く、この話はきっと興味ある人多いはずと思い、企画にいたったそうです。

日本がまだまだ泡の中で泳いでいた頃、自分達が働くようになって経験してこなかった時代。そんな時にゼロからモノをつくっていった方達のお話を「友達からのおすそわけ」というカタチでいただいてみようと思います。

以下鈴村さんからの紹介文です。

大阪の千里に、国立民族学博物館、通称「みんぱく」という博物館があります。
1977年に大阪万博の跡地にオープンしたもので、世界の民族、社会や文化などの研究をおこない、その過程で集められた資料を展示しているのですが、それがなんともおもしろいのです。実際に使われていた衣食住にまつわる日用品やお祭りの道具などをはじめ、楽器、おもちゃ、さらにはモンゴルの移動式住居「ゲル」や神様の像、どうやって運び込んだのかわからない大きな舟まで、とにかく色々なものが並んでいます。

初代館長の民族学者・梅棹忠夫さんは、ここを「世界に例のない新しい博物館」にするという目標を掲げて、モノの見せ方を、従来の単なる「陳列」から意図を持った「展示」に変え、世界中で人々の生活を撮影した映像を来場者が選んで見られる装置「ビデオテーク」を開発するなど、それまでの博物館では考えられなかったような斬新な試みを次々とおこないました。

そんな博物館創設の時代に新人として働き始めた二人の若者がいます。一人は芸術工科大学で映像の勉強をしていた青年。ひょんな縁から、みんぱくの創設準備室に加わることになります。もう一人は、向学心旺盛でその時代にはめずらしく大学院まで行って地理を学んでいた女性。指導教官のすすめでみんぱくで働くことを決めます。

二人は、先輩もいない、前例もない(そしてもちろんネットだってない)という状況の中、スタッフとして「あらゆる分野の裏方」をやりながら、手探りで「世界初」をめざして突っ走ることになりました。

――この二人、実は私の両親なのですが、その頃の話は何度聞いてもわくわくして、元気になります。手前味噌のようでもありますが、自分だけで独り占めしておくにはどうにももったいないと思い、今回このような機会を設けさせていただきました。
友だちの家で両親の昔話を聞くようなつもりで、気軽にお越しいただけるとうれしいです。

○鈴村明(すずむら・あきら)
1950年生まれ。九州芸術工科大学(現・九州大学)を卒業し、みんぱくの創設準備室へ。映像資料の収集・保管がメイン業務ではあったが、データベース、映像番組の製作、展示、民族芸能の舞台などの技術分野から予算、契約などの事務分野まで、「なんでも屋」として働いてきた。大学で博物館学の講義をしたり、タイやラオスなどに博物館のアドバイザーとして出かけたりも。
引退後は料理と庭いじりを楽しんでいる。

○鈴村ひろ子(すずむら・ひろこ)
1948年生まれ。立命館大学、奈良女子大学大学院を卒業し、国立民族学博物館へ。第1子出産のため休業後は、みんぱくの支援団体・千里文化財団でインフォメーション、ミュージアムショップや友の会の運営、シンポジウムや巡回展・講演会など文化イベントの企画運営、その他文化施設等の調査研究に携わる。
「会社のお金で世界を回りたい」という学生時代の野望は見事かなえられた。引退後も夫や友人と少々マニアックな観点の海外旅行を楽しんでいる。

—-
日時:2015年2月28日(土) 19:30~21:00予定
会場:CLeF hair & works(クリフ・ヘアー・アンド・ワークス)
東京都渋谷区恵比寿南1-14-9 恵比寿ホワイトレジデンス101
料金:500円
定員:20人

※会場前方には椅子を置かず、床のマットの上にお座りいただく予定です。

 

参加希望の方は、お名前を明記の上、以下のアドレスまでメールを送りください。

info@clef-hair.com